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　ドラウの交易商人。自らは言わないが実は武器商人。そして死の商人。例の鏡から出てきた囚人の一人。オムー王国崩壊時にアサーラック勢に武器を流して一財産を築いた。が、アサーラックの敵側にも武器を流して抗争を激化させていた為、アサーラック勢の勘気に触れ、次元牢獄に囚われていた。

　トラッドは実際にはアーケイン・トリックスターである。始めは愛想も良くパーティに協力的だが、次第にパーティの装備を掠め取る算段をし始める。実は刀剣類に詳しく、ソフィアやシルヴィアの魔法剣の価値を一目で見抜いていた。休憩時に素知らぬ顔をして【宝剣】デンドロビウムを抜き去り、インビジビリティで逃走した。

　いったんは奪取に成功したものの、逃走の最中に【宝剣】が爆呪炎を吹き出し、火達磨となる。悲鳴をたどって一行が見たものは半身が炭化してのたうち回るトラッドの断末魔であった。そこでナサニエルはかつて幽麗塔で黒騎士の使った爆炎が、実際には【宝剣】の能力であった事に気づく。黒騎士を焼き、剣を取り戻そうとしていたサレスの命まで奪った犯人が【宝剣】であった事の意味に気づき、ナサニエルは本格的にこの剣を危険視するようになる。

　一方シルヴィアも火達磨となるトラッドを目にして、過去の光景がフラッシュバックしていた。幼い彼女の目の前で、父親が同じように火達磨となっていた光景が。彼女も母も爆風で吹き飛ばされ傷ついていた。黒い騎士と細身の黒い人影が入ってきたのはその直後であった。それ以降がまだ思い出せない。煙を上げる炭化したトラッドからシルヴィアはデンドロビウムを取ったが、その表情は凍り付いていた。トラッドにはまだ息があったが、腹部が炭化し、もはやうめき声しか出せない状態であった。「助け・・て・・」シルヴィアが踵を返すとナサニエルも無言でそれに続き、後には痙攣するトラッドが一人取り残された。

　周囲にはこうばしい餌の臭いに誘われて、巨大なムカデ達が次々に姿を現していた。
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上級暗視120ft
日光過敏