浮浪児

寝るときは壁や木を背中にして、持ち物を全部小脇に抱えて寝る。

どぶの中で生きて死ぬのがどんなものか、奴に教えてやる。

ある人が俺を助けた。いや、助けてくれたのだろうか？違う、俺は奴の道具に過ぎなかったのだ。

自分で自分の面倒を見られない奴は、しかるべき報いを受けるだけの事だ。

「師匠」と呼ばれる人物にアキの人格を埋め込まれた被害者。アキが意識のない時に表に出ているのはローゼルである。
浮浪児として街にいたローゼルを拾い上げたのは師匠ではあるが、その師匠との時間は苦痛と苦味、そして自ら死を望むほどに彼の心を蝕んだ。
自らの手で幼子から旧友、世話をしてくれた浮浪児時代のリーダーなど様々な者を物へと変える日常はいつしか彼自身を作りものめいた心の薄い何かに変えてしまう。
しかしそんな折に埋め込まれたアキの人格、そして彼の希薄な心はより強い心のアキに主導権を握られてしまう。
アキに相対する師匠は今までの彼に対する態度とはうってかわりとても良い師であった。
そして彼は気づく、このために拾われたのだと。すべては奴の望む弟子のために己の心はつぶされたのだと。
だが気づいたときには遅きにすぎた。
すでに体はアキにほとんどを奪われている。
彼の心の隙を縫うように、希薄なココロを繋ぐため、復讐の為に、「師匠」を殺し、満足して己が死ぬために。
そのためにも彼は生きるのだ。

「アキが本来の自身であるとおもい、己が体を直すすべを探しているらしい。
これは僥倖だろう。それに手助けをしてやればいい。あいつのできない手段、できない事をすべて俺が代わりにこなしてやる。
そしてアキのゆるやかな自殺を手伝ってやろう。
わざわざチャルトなどという辺境にきたのだ。古代の文明、魔法、薬、そしてそれを手に入れる黄金。
お前がそれを手にしたときこそ、本来の俺を俺が取り戻せるのだ。
この体は俺の物だ、お前のじゃない。」

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

特技：二刀の使い手

・習熟強化（看破、知覚）
・急所攻撃
・盗賊の符帳
・巧妙なアクション
・直感回避
・暗殺術