タグ マツダ |
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キャラクター名 ジリコ・ザ・インビジブル |
属性 混沌にして善 |
プレイヤー名 マツダ |
最終更新 2020/06/23 03:36 |
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クラス/キャラクターレベル PUローグlv3/ニンジャlv2 |
信仰する神 |
故郷 |
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種族 ヴィシュカニャ |
サイズ 中型 |
性別 女 |
年齢 21 |
身長 5'9" 177cm |
体重 121.14lb. 55kg |
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髪の色 銀色 |
瞳の色 金 |
肌の色 白 |
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メモ欄 言語:共通語/ヴィシュカニャ語/竜語/地下共通語 技能ランク40 |
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設定など | |
南方から流れてきたヴィシュカニャ女ローグ。
生まれは孤児、血の繋がらない兄弟が2人いる。 東洋と西洋の技を引き継ぐ最強の諜報組織に育成され、ガンホーガンズみたいな称号を貰ったエリートの一人だったが、ひょんなことから組織を離反し追われるハメに。 落ち着いた雰囲気をしていて頭がよさそうに見えるが、実のところかなり愚鈍。 幼少期の癖で蟻の行列を見ていると心が安らぎ、たまに進路を妨害しては神になったような気分に浸っている。 相手をからかう時になぜか口調がござるになる時がある。 兄弟達に自分の冒険を語る事を楽しみにパスファインダー協会員として各地を赴いている。 【以下怪文書】※読む必要はないです 三人の薄汚いガキが馬小屋に住んでいた。 三人は兄弟だが血の繋がりはなかった、三人は孤児であり物心がついた頃には兄弟として路上で生きていた。 兄は目つきの悪い汚いガキだった、けれど年の割には体が大きく、盗みも上手かった。 姉は顔立ちの整った汚れたガキだった、路地裏で男達に襲われ、けれど3度目からは金を貰うようになった。 妹は薄汚く痩せていて、そしてバカでノロマなガキだった。 けれど金色の美しい瞳をしていた。 姉はその瞳を「綺麗な硝子が入っている」と褒め、兄は「目がうるさい」と伏せているようにがなった。 三人は毎朝、宿の馬小屋の桶の水を汲んでくる事を条件に馬小屋で眠る事を許されていた。 市内の井戸は孤児が並んでいると目をつけられるので、三人は倍離れた森の小川に毎朝水を汲みに行っていた。 ある日の事だ、まだ空が白み始めた頃、水を汲んだ三人が森を歩いていると妹が木陰に何かを見つけた。 それは瀕死の男だった。木に背中を預けた男は、腹をおさえて浅く肩を上下させていた。 男は蚊の鳴くような声で「水」と言った。 姉は怯えて後じさり、兄は男の身なりを眺めて金を持っているか考えた。 妹は桶から両手で水をすくってノソノソと歩み寄った。妹はバカなので水をあげれば何か貰えると思った。 男は妹の爪に垢の詰まった手から水をすすると「美味い」と満足そうに呟いた。 彼は礼がしたいと、銀貨袋と一冊の手帳を懐から取り出すよう指示した。それだけの動作ですら、男にはもう困難だった。 男は妹の名を聞くと手帳の最後のページに一文を書き加え、手渡した。 「手帳を北の町の聖堂に持っていけ…」 そう言って男は三人に去るように促した。 馬小屋に戻った三人、妹の銀貨袋は兄に奪い取られた、問題になったのは手帳だ。 北の町は街道を通って三日はかかる、野盗が出るような道ではないが狼は出る。歳の頃が10かそこらの孤児の兄弟にとってその道のりは危険なものだった。 けれど妹はその町にたどり着ければこの銀貨袋以上の謝礼が貰えると信じ込んでいた。 姉は怖がったが、兄は頷いた。 翌朝、手持ちの銅貨を使って大きなパンを4つ買った。兄は銀貨袋を開こうとしなかったので全財産で買えたのはそれだけだった。 こうして三人は街道に出た。 パンはすぐになくなった。 腹を空かせて街道を歩いた、妹は帰りたいと泣いた。 兄は道中ずっとピリピリして妹を殴ったので、妹は姉にくっつくようにして歩いた。 夜は冷たく、木の陰で三人は固まって眠った。 寒さで関節が刺すように痛み妹は震えながら泣いた。 教会の温かい炊き出しが食べたかった、風を防いでくれる馬小屋が恋しかった。 そんな妹を姉は一晩中抱き締めていた。 町の入り口が見えたときも妹は泣いた。兄はうるさいと頭を叩いて姉は困ったように笑った。 綺麗な街だった。 聖堂で手帳を渡すと奥から背の高い老婆が現れた。 「一人だけよ、『ジリコ』は誰」 三人はすぐに『ジリコ』はここで暮らす事になると、それが礼であると理解した。 ジリコはおそろしくなった。 三人はずっと一緒だった、ジリコにとって自分は三人の中の妹であり、それ以外の生き方など知らなかった。そんなジリコの前に兄は一歩、歩み出て言った。 「いくら払う?」 老婆は一度眉を顰めると懐から男と同じ銀貨袋を取り出し、兄に向けて放った。重い銀貨の音がした。 姉は激怒して喚いた。 「妹なんかいない」 兄が姉に向けたその一言がジリコの耳の中でわんわんと木霊していた。 妹はただのジリコになった。 後になって分かった事だが、聖堂は諜報機関の養成所であり、男はその出身だった。 ジリコはその後継として選ばれた、新たな名も与えられ、ジリコはジリコでもなくなった。 組織では自分以外のものになる事を常に強いられたが、もとよりからっぽの彼女には苦もない事だった、時には兄や姉を思い出して演じてみると自身を強くも艶やかにも魅せることが出来た。 夜は兄を恨み、姉を恋しがった。 けれど最早自分は妹ではない、誰でもない。 そうして7年の歳月が流れた。 故郷の町に彼女は来ていた。 何者でもなく誰でもない、故に彼女は誰にでもなれた。 顔を変えた彼女は故郷の町でひとつ仕事をこなし、すぐに帰るつもりだった。 「ジリ」 何者でもない筈の彼女を、薄汚い男が呼び止めた。 初めは気が付かなかった。 片足を引きづって、媚の染みついた笑みを浮かべていた男は兄だった。 「で、でかくなったな、それにあいつに似て美人になった」 嘘だ。 元より血も繋がらぬ偽りの姉妹、似ている筈もない。 兄が嫌いだった、憎んでいた。けれど再会した兄に対して抱いていた感情は哀れみと、ただの嫌悪だけだった。 汚らわしかった、こんな男よりも姉に会いたかった。世界一やさしかった姉さん。私を抱きしめてくれた姉さん、瞳を綺麗なガラスと呼んでくれた姉さん。 「お姉ちゃんは?」 「死んだ」 去年の事だ、姉は娼館で働き始めたがタチの悪い客に乱暴され死んでしまったそうだ。虚しさばかりが胸に募り、涙は出なかった。 「で、でも安心しろよ!そいつはぶっ殺した」 嘘だ。 瞳がチラチラと動いている、隠し事のある人間の目つきだ。卑屈な笑みを見れば兄がどんな生き方をしてきたのか分かる。嘲られるものの目。殴られて躾けられた犬の目をしている。耐えられなくなって立ち上がった。 「も、もう行くのか?」 「アンタが死ねばよかったのに」 悪態が零れた。 一度だけ振り返った彼女の目に、兄は何か安堵したような面持ちをしているように映った。それも腹立たしかった。 それから数日も経たず、仕事の経過確認の為に故郷を訪れた。 あの日、兄とすれ違った路地に兄の姿はなかった。 酒場に席をつくと、足元の床板にシミが広がっていた。血のシミだ。不快に思って眉を顰める彼女に店主が事情を話してくれた。 「乞食が女衒の元締めを刺したんだよ」 刺された方は無事だったが、乞食の男はここに押さえつけられて頭の中身が飛び出すまで延々と石で殴られて死んだという。 「気味悪いだろ、違う席に移るといい」 言われて隣の席に移って話を続けた、聞くことは別にあるが他愛もない話も必要だ。 「恨みだよ、娼婦だった妹分をそいつにダメにされたんだ。一度前もこんな騒ぎを起こしたんだが、その時」 足の腱を切られた。 ―――――兄の事だと悟った。 兄と姉の事を少し調べた、この町で生まれ育った孤児の兄弟の事は誰でも知っていた。道端で漁師のイチモツをしゃぶって小銭を稼いでいた姉は、ある日身綺麗な恰好で公認娼館を訪れそこで働くようになった。身請けされた孤児娼婦ではなく、どうやって金を貯めたのか小さな家を借り、そこで兄と暮らしながら通っていたのだという。 兄も市場で荷下ろしや力仕事をするようになり、しばらくは穏やかに暮らしていたそうだ。 「そっか」 兄と姉はあの馬小屋での生活から抜け出せたのだ。自分を売った金と、奪った金で。 おかしくなったのは町の悪党の代替わりが起きてからだ、抗争が起き、それは娼館にも飛び火した。そして姉は攫われ、凌辱を受けて死んだ。 彼女はこの抗争の事を調べるまでもなく知っていた、この事件の引き金を引いたのは彼女の組織だからだ。 娼婦が犯されて、殺されて、だれが怒るというのか。 家族だけだ。 兄は姉を犯した男達への復讐に向かい返り討ちにされ、足の腱を切られ、小便をかけて笑われた。 ”便器の兄弟”と呼ばれた。 働くことも出来ず家を追い出され、崖の近くで死のうとしているのを町の住人はよく見かけたそうだ。 彼女は気が付けば馬小屋の前に立っていた。 「もしかして、ジリコか」 宿屋の親父だ、見た目は変わっていない。 「誰だか分らなかった、あの洟垂れがでかくなったもんだ」 「なんで分かったの?」 「お前の兄貴分が綺麗んなった妹が来るかもしれねぇつってよ、ホラ、これ」 親父は白い口髭から唾を飛ばしながら何かを突き出してきた。 銀貨袋だ。 「なんで?」 「ワシが知るかよ」 中身の額は彼女が売られた金額と同じだった。自分の金額は何度もマスターに罵倒を交えて教えられ耳に焼き付いている。 「馬虫みてぇなガキどもだと思ってたけどよ、しぶとく生きてちゃんと家にまで住むようになった頃にゃあワシも考えを改めてしぶてぇ馬虫だと思いなおした事もあった、ただ虫は虫だ、あっけねぇ」 「ただ、ありゃあんまりだった」 「ねぇ、兄さんや姉さんは、私の事について何か言ってた?」 「いやなんも」 「なんも」 「いや一度だけなんか言ってたな、ここを出る時だ」 「なんて?」 「『妹が帰ってきちまったら、今度は家で三人暮らしだ』」 その夜、彼女は兄と姉の事を考えた。 乱暴だった兄、体がでかいから一番ご飯を多く食べた兄、喧嘩が強かった兄。 兄の事をずっと憎んでいた。 捨てられたと思った、初めて殺したいほど憎いと感じた、けれど捨てられたのは初めてではなかった、生まれてからずっと捨てられていたのだ、三人で。 寂しさから逃げる為に兄を憎んだ、けれど、孤児として生きるよりもあそこで生きる方がずっと『良い』暮らしだった。 あの日、私だけが拾われていたのだ、本当は。 あんまり分け前をくれない兄、私を売った兄、けれど私が虐められると虐めてたヤツを殴ってくれる兄、私を守ってくれる兄、私と姉さんを守ってくれる兄、馬で1日の街道、子供で三日歩く街道でずっと私たちを守ってくれた兄、狼の出る街道で一睡もせず見張っていてくれた兄。 片足を引きづって小便をかけられバカにされながら生きる兄。 どうして死ななかったのか。どうして町から離れなかったのか。私が地獄みたいな暮らしから救い出してくれると思っていた?―――違う。 「私を、待っていてくれたんだ……」 気が付けば顔中に鼻水と涙をまき散らしてベッドを濡らしていた。 私を待ってくれていた兄、この世界で誰でも何者でもない私を一目で見つけ出してくれた兄。私の名前を呼んでくれた兄。 私はジリコ。 私は乱暴な兄と綺麗な顔をした姉の妹。 娼婦が犯されて、殺されて、だれが怒るというのか。 「"おねぇちゃん"、"おにいちゃん"」 乞食が嘲笑され、殺されて、だれが怒るというのか。 「―――ブチ殺すね」 家族だけだ。 ―――― 復讐はあまりにもあっけなく終わった。 元より諜報員を町に馴染ませる為に事件を焚きつけた背景がある。下調べはするまでもなく仇のすべては頭に入っていた。 本来はこれから組織が男を転がしていく予定だったが、今ではどうでもいいことだ。 女衒の元締めとは言えちっぽけな町の悪党だ、娼婦に化けて酒をついで吐息を耳にかけてやれば、彼女の唾液入りの酒を上機嫌にゴクゴクと飲み干した。護衛もザルだ、なんなら何人かは口うつしで唾をくれてやった。 まもなくして一味は崩れるように深い眠りに落ちた。 ”睡眠毒” 知られざるジリコの両親が彼女に与えた毒の血潮である。 そうして用意していた部屋に男を監禁し一晩拷問を続けた。自慢のイチモツを切り取って口いっぱいに頬張らせてやった際に喉を詰まらせて男は死んでしまった。 ジリコは出来るだけ凄惨な最期にしてやろうと考えていたが、そういった事に詳しくなかった彼女はあまり良いアイディアが思いつかなかった。なのでジリコは今もこの結果に満足がいっていない。 ともあれ復讐は終わった。 組織は言うまでもなく激怒し、彼女は町は愚か国自体を去ることとなった。 逃亡生活の始まりである。 彼女に後悔はない、彼女は自分自身になる事が出来た。 兄が銀貨袋で自分を買い戻してくれた、もうこの世界の何処に行ってもジリコは捨て子ではない。 ジリコは海を渡りながら自分が死んだときの事を考える。 そこには優しい姉と乱暴な兄がいる。 再会した時、今度こそ死ぬほど強く二人を抱きしめ、愛を込めた「ただいま」を言う。 そして復讐をほめて貰い、あの三日間の冒険の話をして、笑って、そしてーーー 「二人が面白がるような話をしよう」 こうして彼女は辿り着いた新たな国で、パスファインダー協会の門を叩いた。 おすし |