侍祭。
かつてサンサ・ライトはドル・アラー信仰の司教を名乗るエルフの元に僧侶として身を置き、その教えに従っている30名弱の仲間と共に生活を送っていた。
ある冬の晩、近隣の村に邪教の信徒らが攻め入ろうとしている情報を手にした一団は村を守る為に立ち上がるが、力及ばず1人、また1人と倒れ伏していった。
最後の1人になるまで抗う姿勢を見せていたサンサ・ライトの背に、何者かの手が触れた。

テレポート

視界が歪む、彼は見知らぬ地にいた。
そこはただ広く、聞こえる音と言えば時折吹く風に枯草が揺れる音だけだった。

穏やかな性格の旅人。
顔に大きな向こう傷が付いている為誤解されがちだが、無用な争いは好まない。
行方不明になってしまった司教を探して旅をしている。

信仰。
ドル・アラーの導きに従い、やがては悪しき神に仕える者共はうち滅ぼされる。

司教。
何としてでも司教に再会したい。
我々に苦杯を飲ませた悪しき者どもは最早あの村に留まってはいないだろうが、共に同志(信徒)を集め直して次こそは討ち滅ぼさなければ。

心酔と傾倒。
司教を、そして仕える神を絶対視している。
他者にまでそれを求めることはしないが、仕事に対する報酬などは低く設定しがち。

布教活動:しない。それは司教の選定した者に対して行うべき事由である。

何故己が新たな司教にならないのか:司教とはかのエルフを指す位であり、代替性はない。
(最早彼に論理は通用しない)

では司教に関する情報の収穫はあったのか:情報はあった。しかし得られたのは『何年も前に助けられた』であったり『最近見かけないな』というような自分達と出会う前の情報ばかりだ。

■サンサ・ライトの半生
-25年前(冬)
サンサ・ライトは当時、それなりに栄えているコキョウ町で燻る若者の1人だった。
家族はなく、友人もなく、夢もない。
幾許かの賃金の為に肉体労働に従事し、酒を飲んでは寝て暮らす。
何かを成したいと思っては惰性に身を任せ、今こそ動かんと立ち上がっては標なき道に挫折する。
そうやって何者にもなれずに一生を終えるものだと、彼は思っていた。

-24年前(春)
暖かな陽気に包まれて、サンサ・ライトの命運を変革へと導く男がコキョウ町に訪れた。
その風変わりな身なりのエルフと彼が引き連れている幾人かのお供は見た事のない聖印を掲げて、町を行く人々に熱心に語り掛けていた。
利他の精神を、そして悪しき神の信仰を許してはならぬことを語るその姿を見たサンサ・ライトは「これこそ俺が求めていた何かだ」と思い、その瞬間に足は動いていた。

-24年前(夏)
汗の止まらぬ砂漠の丘で、休憩がてらにドル・アラーの教えを説く司教の周囲で信徒たちは車座となっていた。
その晩、眠りについていたサンサ・ライトは神の声を聞く。
『悪きものと戦わなければ生き残れない。目覚めろ、その魂。疾走する本能に従い、運命の鎖を解き放て！』
ドル・アラーの導きにより、彼はクレリックとなったのだ。

-20年前(夏)
青葉輝く森の中、30名弱まで人数の増えた一段は山間にあるのどかな村『コチラ村』に到着する。
突然の来訪者達に村人たちは困惑したが、丁寧な挨拶を交わした司教が村の労働に無償で従事する事を約束した事で、村の空き地にキャンプを作る事と一時的に滞在する事の許しを得た。

-20年前(秋)
作物が実りを結ぶ秋空の下、血に飢えたオーガの軍勢がコチラ村に攻め入った。
悪神を信奉するモンスター共は見かけ次第叩き潰す事はドル・アラー信徒にとって当然の行いとして、一団でこれを撃退。攻め入る者は灼熱の業火で焼き払い、恐れをなして逃げゆく者は凍て付く冷気で足を止めて叩き殺した。
そうして悪き者共を討ち取った一団は村人達に感謝され、コチラ村に永住することに。
簡素な神殿も作り、体裁としてはドル・アラーに仕える組織として、実際には害獣の狩りや農耕・畜産で村の経済に貢献する組織として迎え入れられる事になった。

-15年前(冬)
木枯に身を裂かれる寒い日に、トオク村で異変が起きたと噂が流れた。
人々は姿を消し、周囲の動物は腐敗し朽ちた状態で倒れていた、と。
司教の指示の元、数人の調査隊が組まれてトオク村近辺まで調査に乗り出した。

-14年前(夏)
調査の結果、件の噂はどうやらトオク村に悪き神を信奉した一団が攻め入った結果のようだと結論が出される。
また、その一団は未だにトオク村に留まっているが、チカイ村にもトオク村と同様に攻め入る算段を付けている事も判明した。
これに対して司教は、総力を上げてこの悪き集団を討ち滅ぼす計画を立て始めた。

-14年(冬)
吹雪吹き荒ぶ冬の夜。
この日の屈辱を、サンサ・ライトは忘れない。

(解説)テレポートは対象者の同意を得ないと使用できない呪文です。
サンサ・ライト本人は気が付いていませんが、彼は戦場から(テレポートを使われたとはいえ)自分の意思で逃げ出しています。
何者にもなれないだろうと傍観していた若き日から己は変われたと信じていましたが、そんな事はなかったみたいですね。この部分について当人は気づいていないので、ロールプレイ上では表現されません。

■司教について
『エターナルキャスター』リンガー・コウラア
エルフ/ウィザード/故人(故エルフ？)
別次元であるエベロン世界の(今は亡き)サイアリ出身。
生まれながらにして次元界を超えて別次元へと移動する力を持っており、その事実を隠して生きていた。

ドル・アラーの厚き信奉者で、己を律し、他者に施す模範的な男……だが、ドル・アラーの声を聞く事はなく、辺境の地に住まう貴族の元で行なっていた魔術の研究職が本業と言って差し支えない。
コーヴェア大陸全土を巻き込んだ最終戦争(*1)の折、将たる貴族を護るべく範囲魔法での戦線維持に努めていたが、敵対勢力の魔術師が使用した『古呪/The Elderspell』(*2) により次元渡航の力を奪い取られる。
強烈な魔法の発動を察知した彼は間一髪で別次元へと逃れたが、それを最後に次元渡航の能力は使えなくなっていた。

最早故郷がどうなったか知る由はないが、戦線から自分が離脱した事による雇用主と仲間達の未来は分かりきっていた。
帰る場所も帰る方法すらも失った彼は、最早縋れるものは神のみと、己の素性を隠して(記憶を失った事にして)この世界では然程知られていないドル・アラーの教義を広めるための旅へと出る事にした。

(*1)現在の時間軸では4年前に終結しており、5つあった国のうちサイアリだけ滅亡して今は4つの国がコーヴェア大陸にはあるそうです。

(*2)次元渡航者(プレインズウォーカー)からその力の源(灯と呼ばれている)を奪う呪文。
MTGに登場する呪文なのでD&D公式ではありません。
本来、古呪を発動すると呪文の使用者も対象者も絶命しますが、発動中に次元渡航を行った為に不完全な術となり、能力のみが抜き取られてしまいました。

メイス

4

1

ライトクロスボウ

5

1

スケイルメイル

45

1

シールド

6

1

聖印

1

2

ブローチ・オヴ・シールディング

0

1

■探検家パック

　

　

背負い袋

2

1

携帯用寝具

1

1

炊事用具

1

1

火口箱

1

1

松明

1

10

保存食

2

10

水袋

5

1

50フィートロープ

10

1

　

　

　

祈祷書

5

1

お香

　

5

法衣

6

1

普通の服

0

1

ベルトポーチ

0

1

クロスボウボルト20本

1.5

1

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

■身を守る閃光（PHB68 光の領域）
使用回数：5回(大休憩回復)
30フィート以内にいて君から見えるクリーチャーに攻撃された時、君はリアクションを用いてその攻撃のロールに不利を与えることができる。
盲目状態にならない敵には無効。

■観察眼（PHB165 特技）
・【判断力】+1
・あるクリーチャーが、君の理解できる言語を話しており、そのクリーチャーの口を見ることができるなら、君は読唇術が使える。
・君は以下に+5の修正を得る
受動【判断力】<知覚>
受動【知力】＜捜査＞

■信仰あつき者の保護（PHB135 侍祭特徴）
ドル・アラーのパンテオンに行けば質素な暮らしができる。
ドル・アラーマイナーすぎてパンテオン見ないからこの特徴は気にしなくていい。

ガイダンス

スペア・ザ・ダイイング

セイクリッド・フレイム

ライト

　

　

　

　

　

　

インフリクト・ウーンズ

ガイディング・ボルト

キュア・ウーンズ

シールド・オヴ・フェイス

ヒーリング・ワード

ブレス

　

バーニング・ハンズ

フェアリー・ファイアー