タグ 協会シナリオ なべの季節 |
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キャラクター名 ”祝福されし”イェルチェト |
属性 中立にして善 |
プレイヤー名 なべの季節 |
最終更新 2022/10/27 19:45 |
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クラス/キャラクターレベル オラクル(神秘:Elemental)/10 |
信仰する神 ゴズレー |
故郷 ショアンティ(太陽の部族) |
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種族 人間 |
サイズ 中型 |
性別 男 |
年齢 29 |
身長 6'2" 188cm |
体重 118.94lb. 89kg |
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髪の色 禿頭 |
瞳の色 青 |
肌の色 肌 |
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メモ欄 ■言語:共通語,ショアンティ語(出身地),風界語(言語学),土界語(言語学),水界語(言語学),火界語(言語学),読唇術(言語学),竜語(言語学),古代サーシロン語(言語学) ■初期能力20ptBuy(筋14(5) 敏13(+3) 耐14(+5) 知10(0) 判10(+0) 魅15+2(7)) クラスボーナス:オラクル 能力成長=4v:魅力,8lv:敏捷 派閥:調停者 威信/名声:29/50 2361400-6 |
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設定など | |
禿頭と全身を覆う独特の刺青、大柄な体躯に戦槌を携えた出で立ち。
アヴィスタン大陸北部の風土にある程度詳しいものは察するであろう、イェルチェトはヴァリシア北部に点在する蛮族――ショアンティである。 彼は幼い頃に雷を受けたことにより聴覚を失っており、その代償に精霊に強い親和性を得た祈り手だ。 言葉が通じないことにより孤立し、それをとあるノームに救われた過去から閉鎖的な価値観を持っていることも多いショアンティの中では珍しく開明的な思想の持ち主であり、その威信溢れる見た目とは裏腹に書物を好む温厚で誠実な人柄である。 しかし荒野の厳しさを生き抜くショアンティとして、戦いとなれば躊躇せず戦槌を振るい勇敢に戦う一面もある。 書物でしか知らない荒野の外への憧れと、とある一件から硬化した協会とショアンティの関係を修復したいという思いから協会のエージェントとなった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ヴァリシア北部、太陽の部族の成人の儀の最中、天より特大の雷が降り注ぎとある少年を貫いた。 雷を受けた子の名をイェルチェト。スクラー・クァ(太陽の部族)の戦士チョチョクとリルーン・クァ(月の部族)の祈り手ナナリの子である。 落雷から生き残ったイェルチェトをクァの大人達は快く迎え入れた。 自然の試練に打ち勝った勇者であり、精霊の祝福を受けし者であると。 しかし、いかなる賛辞や賞賛の言葉も、少年に困惑と恐怖しか与えなかった。 彼には自分に語りかける者達が何を言っているのか全く分からなかった。 落雷の轟音によりイェルチェトは聴覚を完全に失ってしまっていた。 それからの数年はイェルチェトにとって辛いものとなった。 イェルチェトに周りの者の言葉は分からず、大人たちの慰めは彼に届かなかった。 勇者など、言葉の通じぬ同胞を恐れる自分には皮肉でしかない。 祝福など、今の自分には呪いとしか感じられない。 イェルチェトは自分が"はぐれ"になったのだと思った。 姿かたちが同じヒトであろうと、思いを交わし合えなければ、それは別の存在でしかない。 自分だけが違うという意識は彼を孤立させ、次第に彼は周囲との溝を埋めることを諦め、瞑想と称し荒野で独り佇むことを選ぶようになった。 吹き荒ぶ風の音も、獣の吼え声も、川のせせらぎも、もう分からなかったが、自分だけが理解できないさえずりの中に居るよりは、彼にとって心安らぐ場所であるといえた。 そうして完全に閉じかけた彼の世界をこじ開けたのは一人の好奇心旺盛なノームだった。 突然現れたノームは無遠慮にひとしきりの質問を浴びせた後、イェルチェトがろう者であることを悟ると鞄からいくつもの書物を取り出し突きつけた。 戸惑うイェルチェトにノームは文を指差しながらひとつひとつ、はっきりと口の形を明確にし語り続けた。 初めは疎ましく感じ、遠ざけようとしたイェルチェトだったが、ノームは諦めというものを知らないのかどれだけ邪険にしても彼から離れることは無かった。 勇者だ祝福だと言うものの、どこか腫れ物のように扱う部族での大人たちと違い、人との距離感など何一つ考慮せず、ちいさな身体いっぱいに訴えかけるノームを、イェルチェトはどうしてか嫌いになれなかった。 そうして彼の身振り手振りをぼんやりと眺める内にイェルチェトは悟った。 このノームは自分に教えようとしている。音が聞こえずとも、人の話す言葉の意味を知る術を。 そして今、言葉が無くとも、自分はこのノームの意図を理解しているのだと。 気が付けばイェルチェトは真剣にノームの教えを受けていた。 ノームの取り出す教材のほとんどは装飾と誇張に塗れた自伝で、お世辞にも知識として信頼の置けるものではなかったが、同胞の無理解と厳しい自然しかない彼の世界にはどれも存在しないような話で、気が付けばイェルチェトはこの荒唐無稽な冒険嘆を楽しみにするようになった。 絶えることなき大海の嵐、失われた天空都市、宙に浮かぶ古代の墳墓。イェルチェトが荒野の外に強く憧れるのにそう時間はかからなかった。 忙しない印象とは裏腹にノームは呆れるほど根気良くイェルチェトに付き合い、言葉を教え続けた。 ノームが文字を指し示し、イェルチェトが発声する。 久しく使われなかったイェルチェトの喉はかすれ、お世辞にも聞き取り易いものではなかったが、それでも上手く発音できた時に目を輝かせ大げさに誉めそやすノームの姿が、渇きを忘れ夢中にさせた。 文字は、彼にとっての光であるように感じられた。 明らかに容量を超えて詰め込まれたノームの鞄の中の書物もいつしか尽きて、別れの時が来た。 この頃にはイェルチェトは互いが手を伸ばせば触れ合える距離であれば、他人の唇を読み滑らかな会話が出来るまでになっていた。 去り際にノームは自身がパスファインダー協会に所属しているエージェントであり、このヴァリシアでサーシロン帝国の遺跡を中心に探索をしていることを語った。 再会を誓い、分かれた後。 読唇の術を手に入れた彼は人の輪の中に戻り、戦士として訓練を積んだ。 彼には一つの目標が出来ていた。いずれ部族を出て、広い世界を旅するのだ。 己の外に意識を向けるようになったイェルチェトは自身が精霊の意志を何となく理解できることに気が付いた。 落雷によって自然と強く結びついた彼の身体は元素界との導管として作用するように造り変わっており、そのことが彼を優れた祈り手として成長させた。 イェルチェトが自由に出来る金銭はそう多いものではなかったが、たまにキャラバンが訪れると必ず何らかの書物を購入した。 修行の日々は楽なものではなかったが、そうして荒野の外の世界を感じることが何よりの励みになった。 イェルチェトがいっぱしの戦士として真にクァの一員として認められたとき、ヴァリシアに住む7つのクァ全ての族長が集まるほどの大事が発生していた。 とある協会のエージェントによって起されたこの事件により、イェルチェトの故郷であるスクラー・クァは協会への態度を著しく硬化させてしまう。 イェルチェトは融和を求め説いたが部族の者達の反発は強く、有力者である"爆炎の追跡者"ケムチェトの強固な反対もありその言葉は届かなかった。 イェルチェトには故郷がかつての自分のように殻に閉じこもろうとしているように見えた。 きっとその先に明るい未来は存在しない。 たとえ言葉が、民族が、種族が違えと善き意志を交わすことが出来るなら、分かり合える。 かつてのノームとの経験は、イェルチェトの思想をショアンティの一般的な部族主義から逸脱させていた。 旅立ちのときは今をおいて他にない。 友との約束を果たすため、再び協会と故郷の関係を結ぶ架け橋となるためイェルチェトはアブサロムへと旅立った。 かつて彼を救ってくれたあのノームのように、自身の存在が誰かの救いになることを祈って。 |